岡田 光弘
昭和63年の虻田馬頭観世音碑保存協賛会の設立当初から事務局長として携わり、平成2年から平成31年の解散に至るまで会長職を歴任した。この間、協賛会の中心となって毎年7月5日に例大祭を開催し、入江・大磯馬頭観世音碑の供養を実施してきた。
また、平成11年から平成26年まで虻田町及び洞爺湖町の文化財運営審議会委員を務め、「大磯馬頭観世音碑群」の移転と保護はもとより有珠虻田牧場やプロビデンス号来航に関する説明板の設置に努めるなど、文化財の保護及び普及啓発活動に貢献した。
協賛会役員や文化財運営審議会委員として、平成4年の「入江馬頭観世音碑」の北海道文化財指定に尽力するとともに、平成17年に「虻田の馬頭さん」を発行するなど、調査研究を精力的に行い、時代の推移とともに記憶が薄れていく石碑の歴史的意義づけや文化財の保護に多大な貢献をしてきた。
野村 武雄
昭和32年の美瑛町郷土史研究会の起ち上げを契機に、町史編纂や遺跡の発掘
・保存及び郷土資料館の設置等に尽力した。その後現在に至るまで、札幌市手稲区や美瑛町を中心に道内の歴史や文化に関する研究を重ねるとともに、研究史料の保存について北海道大学博物館や北海道開拓記念館(現北海道博物館)等に協力してきた。
また文化財等の調査研究や資料の整備、市民大学の講師や著書・論考の発表
を通じて、地域住民に対し郷土の歴史や文化に対する啓発活動を長年にわたり実践してきた。
平成17年には手稲郷土史研究会を設立し、理事・相談役を務めた。各種講座等で手稲の歴史遺産の価値、保存の仕方、記録の方法を助言し、地域住民への普及活動を通してこれまでの成果を還元するなど、本道の文化財の保護及び郷土史の普及に多大な貢献をしてきた。
NPO法人伝成館まちづくり協議会
平成15年に解体が予定されていた旧北海道農事試験場根室支場庁舎の保存運動のメンバーが中心となり、「NPO法人伝成館まちづくり協議会」を発足し、北海道知事へ働きかけるなどの保存運動を展開した。その活動は、他に類例のない措置として、平成16年に北海道から中標津町への無償譲渡が実現し、町から管理委託を受け、現在に至るまで文化財としての保存・管理を行っている。
また、当協議会では「古老の語り部談義」を開き開拓当時の様子について聞き取り調査を行い、動画として記録保存し、旧農試を含めた地域の歴史資料の収集、調査研究活動を重ね、その成果を地域住民向けの講座や現地見学者へのガイドによる普及活動を行っている。 これまでの文化財保護活動に対する基本的な姿勢は、町内はもとより管内外にも広く知られており、行政や町民の目を文化財保護に向ける上で、大きな役割を果たしている