尾崎 和男
昭和59年に「郷土史を学ぶ会」を発足させ、会長として岩見沢市を中心とした地域の歴史や文化を伝える活動において、中心的な役割を果たしている。
なかでも、文化財を視察する「歴史の道を訪ねて」の事業を毎年実施するほか、岩見沢市内の高齢者への聞き取りを実施して「新いわみざわの民話」を発行するなど、小学生を含めた地域住民への文化財や郷土史の普及活動を精力的に行い、文化財の保護・啓発活動に尽力している。
また、平成15年から岩見沢市文化財保護委員会の委員に、平成26年からは委員長として市の文化財保護行政に貢献している。
特定非営利活動法人 さっぽろ時計台の会
昭和50年に時計台の愛護活動を主として市内文化団体メンバーなどが中心となり「時計台を守る市民の会」として設立され、平成16年に「さっぽろ時計台の会」に改称、平成17年に特定非営利活動法人として設立された。
昭和50年の設立以降、札幌市の象徴であり国指定重要文化財である時計台を中心とした文化財愛護精神の普及のため、長年にわたり時計台の清掃や案内標識設置等の様々な時計台愛護活動を行い、広く市民に時計台を理解し、親しんでもらうために尽力している。
また、昭和57年以降から令和元年に至るまで38回にわたり記念式典や音楽コンサート、児童絵画展等の「時計台まつり記念行事」を開催するほか、会報「時計台の鐘」の発行等を通じて文化財保護思想の普及・啓発や文化芸術振興に貢献している。
十勝の自然史研究会
昭和45年の十勝団体研究会によるナウマン象化石の発掘に十勝・帯広の教員が参加し、昭和53年にその教員により「十勝団体研究会帯広グループ」を結成、昭和58年に「十勝の自然史研究会」と改名以降、長年にわたり十勝地域の地形・地質・化石など自然史に関する調査研究や普及活動を実践している。
また、継続的に帯広百年記念館との共催で郷土地質見学会や地質講座を行うなど、多くの市民が自然史に親しみ、興味関心を高める活動を続け、十勝の自然史に関わる文化財の保護思想の普及・啓発に貢献している。
平成28年度には帯広市文化活動功労賞を藤山広武会長が受賞する。
阿寒アイヌ民族文化保存会
昭和43年に結成されて以来、長きにわたり地域・芸能の歴史等を学習しつつ、踊り、歌、囃子の稽古を日頃から行い、祭礼や地域年中行事への参加、催し物やイベントへの出演、また、地元小中学校の児童生徒への文化芸能指導などを通して、アイヌ民族の文化や言語、古式舞踊などの伝承・保存活動に尽力している。
また、北海道内はもとより全国各地で古式舞踊やユーカラ劇の公演を行うほか、ユネスコ・パリでユーカラ劇の公演、台湾・ブラジル・ニュージーランドで古式舞踊を公演し、アイヌ文化を世界に紹介するなど、アイヌ文化の振興普及に寄与している。
昭和59年にアイヌ古式舞踊が国の重要無形民俗文化財に指定され、同会は保護団体の指定を受け、平成15年度にはアイヌ文化奨励賞(団体)を受賞している。
白糠駒踊り保存会
白糠駒踊りは大正8年に白糠村におかれた旧陸軍軍馬補充部内の神社祭典で踊ったのが初演で、以後、町の郷土芸能として定着し、今年は発祥100年を迎える。
戦時中の中断を経て昭和20年に青年会の活動として復活させ、平成11年に駒踊りの団体を統合して「白糠駒踊り保存会」が発足し、今年で20年を迎える。
発足以降、例年、町内・外の大漁祭り、厳島神社例大祭、釧路港まつり、河原地区イベントなど各地での公演のほか、町内の小学校での体験授業の指導などを通して、町の郷土芸能の保存・伝承・普及に尽力するとともに、後継者育成にも貢献している。
また、上海万博日本館での公演や台湾新北市の文化祭で披露するなど地域の振興・発展に大きく寄与している。