平成26年度 文化財保護功労者 受賞者

岡田

岡田 齊

氏は、昭和38年から深川市の社会教育委員として、文化関係も含めて様々な地域振興に尽力された。

特に、自宅敷地内に「岡田風塵資料館」として、私財を投じて資料館を開館し、加えて、母屋や納屋に、文芸関係の資料や屯田兵開拓時代から使用されていた生活用品など、価値ある歴史資料を展示し、現在まで整理・保存に努められている。

昭和45年からは、深川市の文化財保護委員として、文化財の保存・保護普及に尽力され、さらに長年深川市の文化振興の発展にも寄与された。

手塚

手塚 賢

氏は、長年にわたり郷土史の調査研究と文化財保護活動を、千歳市文化財保護協会の事務局長と副会長として、重要な立場で努められた。

特に会員の調査研究をまとめた会誌「ちとせぶんか」の編集・発刊に携わり、文化財の普及啓発活動に尽力された。

また、千歳市との市民協働事業「千歳市内石碑・石造等の調査事業」では、3年間にわたり中心的役割を果たし、平成23年3月には、調査報告書「石に刻まれた千歳の歴史」「石碑ガイドマップ」として刊行され、平成25年の追加調査では、「石に刻まれた千歳の歴史 碑文編」として調査報告書を完成させた。

旭川市

旭川の歴史的建物の保存を考える会

「旭川の歴史的建物の保存を考える会」は、昭和63年12月20日に設立以降、26年間という長い期間、歴史建物への市民意識高揚のために、建造物の調査研究と見学会等を行ってきた。

設立時からの運動であった旧国鉄車輌センター内煉瓦造2棟が、旭川市市民活動交流センターとして平成22年に活用されたことは、会の代表的成果といえる。

会の助言により、解体を免れた歴史建物も多く存在し、現在は大正期の石造建築「旧宮北邸」の保存再活用運動も徐々に成果を上げ、旭川市の歴史文化意識の高揚への寄与は大である。

アーチ橋(十勝)

NPO法人ひがし大雪アーチ橋友の会

昭和62年廃線の旧士幌線音更川アーチ橋は、解体通告を機に士幌町民を中心とした保存運動が起こり、平成11年から「NPO法人ひがし大雪アーチ橋友の会」を発足させた。

会では、旧士幌線及び橋梁等の鉄道遺産の点検・管理・清掃等の活動を日常的に実施するとともに、鉄道遺産の写真やスケッチコンテスト等を開催し、散策地図の作成や絵はがき・写真集の製作・販売を行っている。

また、鉄路再現事業では、旧幌加駅・糠平駅で線路を復元し、鉄道トロッコの運行を行い、ホームページや会報「めがね橋」を活用し、北海道鉄道遺産ネットワークによる情報交換や情報発信を行っており、産業遺産を創造的に活用実践した地域活性化の貴重な成功例として、その功績は大である。

駅逓上藻別

上藻別駅逓保存会

大正15年開設の上藻別駅逓所は、紋別地方で現存する唯一の駅逓建造物であり、戦前の北海道独特の建築を代表する歴史的建築物である。

平成16年11月、この地にゆかりのある有志で「上藻別駅逓保存会」を発足させ、駅逓所内の鴻之舞金山資料館と併せて、開拓資料や鴻之舞金山資料などを展示・公開・活用し、歴史に気軽に触れられる体験の場として教育活動を支援し、市内・道内はもとより、広く道外からの見学者や子ども達の教育学習や観光資源として、紋別市を代表する歴史的建造物となっている。

また、歴史的資産を活用したツアーガイド等も行い、地域振興にも大いに貢献された。

さらに老朽化が著しく倒壊の危機にあった旧駅逓所建物を保存会が独力で修復し、国登録有形文化財に導いた功績は大である。